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被相続人(=亡くなった人)に、「この人には一切財産を相続させたくない」というような希望があった時、特定の人物を相続人から除外することは可能なのでしょうか。
ここでは、特定の人物に遺産を渡らないようにする、相続の「廃除」についてご紹介します。
遺留分とは、遺言書の内容に関わらず、法定相続人が最低限の遺産が受け取れることを保証した制度です。
兄弟姉妹以外の法定相続人には、それぞれ一定割合の遺産を受け取れる権利が法律で保障されています。
具体的には、
・相続人が直系尊属のみ(父母等)の場合……法定相続分の3分の1
・配偶者や子ども……法定相続分の2分の1
が遺留分となります。
例えば、もし被相続人が特定のひとりに全ての財産を渡すと遺言に遺していても、他の相続人にも上記の配分は受け取る権利があるということです。
遺言によって遺留分よりも貰える遺産が下回った相続人は、「遺留分侵害額請求」という手続きをして最低限保障されている分を請求することができます。
ですので、遺言書にははじめからこの遺留分を考慮して財産を分配することで、相続人同士が後々揉めるのを防ぐことができます。
では、この「遺留分」も含めて一切の財産を渡したくない場合はどのような方法があるのでしょうか。
その場合、「相続の廃除」を行い相続人としての資格を失わせることになります。
・相手が兄弟姉妹の場合
財産を渡したくない相続人が兄弟姉妹の場合は、相続の廃除をする必要はありません。
上記の遺留分についての項で述べた通り、兄弟姉妹にはそもそも法的に遺留分がありません。
ですので、遺言書で兄弟姉妹には相続をさせない旨を記載すれば、遺産は渡ることはありません。
・相手が配偶者や子どもの場合
財産を渡したくない相続人が被相続人の配偶者や子どもの場合は、遺留分も渡さない場合には相続廃除の手続きをとることになります。
ただし、注意点としては、
相続廃除は手続きをしたとしても必ずしも認められるわけではありません。むしろ認められない可能性の方が高いです。
これは完全に私見ですが、廃除が認められる確率は2割程度な印象です。
法で定められている最低限の遺産の取り分も貰えなくするわけですから、客観的に見て廃除に足る十分な理由が必要です。
民法第892条では、
①推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を与えたとき
②推定相続人にその他の著しい非行があったとき
に関して相続廃除を請求することができると定められています。
今までで相続廃除が認められた例としては、
●被相続人に対し日常的に著しい暴言及び暴行があり、暴力行為によって傷害を負っている
●被相続人の金銭を持ち出す、持ち物を無断で売却する等、何度も経済的に大きな負担
を与えている
●相続人が複数回にわたって服役し、被相続人が相続人に代わって謝罪や弁償を強いられ著しい経済的、精神的苦痛を与えている
等といった、第三者から見ても廃除を受けてもやむなし、と判断されるような大きな非が相続人側にある場合に限られます。
出来る限り虐待や非行の事実を証明できるよう、傷害を負わされた際の医師の診断書等、証拠となるものを準備できるとよいでしょう。
相続廃除には、
①生前廃除
②遺言廃除
の2つの方法があります。
①生前廃除
生前廃除は、被相続人自身が、存命のうちにみずから家庭裁判所に「廃除請求の申立て」を行う手続きです。
廃除請求の申立てを行うと、家庭裁判所にて審判が行われます。
これによって廃除が認められると、「相続人廃除の審判書」が送られてきますので、市町村役場に審判書を提出して戸籍に「廃除」と記載してもらえば完了です。
なお、生前廃除の場合、取り消したくなった場合には廃除を撤回することもできます。
②遺言廃除
遺言書によって相続廃除を行いたい場合は、被相続人に代わって遺言執行者が申立てを行うことになります。
被相続人は、遺言書に相続廃除の意思と理由を具体的に表示しておきましょう。
【手続きの流れ】
これを受けて、被相続人の死亡後に、遺言執行者が家庭裁判所に「廃除請求の申立て」を行います。
遺言執行者は遺言書の中で選定することができます。親族の中から指定することもありますが、相続廃除を行いたい場合は、その後の手続きに関して専門的な知識を持ち、また相続人同士のトラブルを避けるためにも、司法書士などの専門家に依頼することが望ましいでしょう。
いずれにしても、一般的に相続廃除に足る理由を証明することは簡単なことではありません。確実に相続廃除を行いたいという場合には、事前に専門家に相談することがお勧めです。
裁判所に廃除を確実に認めてもらうために、証拠をそろえておくことが肝要です。
例えば、暴行を受けたのであれば、診断書や暴行箇所の写真、暴言や侮辱を受けたのであれば、LINEや電話、会話のやり取りの録音・録画などを残しておくとよいでしょう。
いかがでしょうか。
相続廃除を検討するということは、人間関係が良好でなく、感情面から客観的に冷静な判断をすることが難しいこともよくあります。
まずは一度、当事務所(津田沼・千葉相続相談室。習志野市にあるLEGALMOT(リーガルモット)司法書士事務所)のような相続に強い専門家に相談されることをお勧めします。
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