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昨今、高齢化に伴い、相続の生前対策がますます重要になっています。遺言の重要性も高まる中で、現在、デジタル遺言の導入に向け、議論が進展しています。
高齢化、家族の在り方の多様化、また所有者不明土地問題などにより、遺言書の作成意識は高まっています。にもかかわらず、実際に遺言をすでに作成した人は、2023年の日本財団の調査によると、調査対象の60歳~79歳男女のうち3.5%にとどまりました。
重要性が高まる一方、遺言書を実際に書こうとなると、難しそう・大変そうだと躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。そこで、現在、パソコンやスマートフォンを使って、より簡単に、従来より負担が少なく遺言を作成できるよう、政府が検討を行っています。
すでに公正証書遺言については、新たにデジタル化した手順でも作成できるようになりました(2025年10月1日施行)。
さらに、デジタル遺言(保管証書遺言)が新たに実用化に向けて検討されています。
以下で現行のデジタルによる遺言作成、また今後導入される新たなデジタル化・保管証書遺言について詳しく解説していきます。
① 現行の遺言制度
② 公正証書遺言のデジタルによる作成手順
③ 新たな制度・保管証書遺言
保管証書遺言(デジタル遺言)とは
保管証書遺言作成の流れ
保管証書遺言の懸念点
④ これからの遺言制度、どう選ぶ
現行制度では、遺言書を作成する方法で実際に使われているのは以下の二つです。
①自筆証書遺言
遺言者本人が遺言書の本文、日付、署名を手書きで書き、押印する
②公正証書遺言
遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人が書面化し口頭で読み上げて作成する
(なお、「秘密証書遺言」というものもありますが、デメリットも多く、あまり使われていません。)
2026年4月現在、
②の公正証書遺言は、すでに一部デジタル化に対応しています。後の項目で詳しく解説していきます。
①自筆証書遺言も、今後デジタル化に対応していくこともあり得ますが、現行の法律では遺言書の本文を全て手書きする必要があります。
そして、さらに2026年4月3日、デジタル機器で作成できる新しい遺言制度として、「デジタル遺言(保管証書遺言)」が閣議決定されました。
まずは、既に実施されている公正証書遺言のデジタル化について解説していきます。
・従来の方法
従来の公正証書遺言作成手順は、遺言者本人が公証人と対面して本人確認の上、署名捺印して遺言書を完成させていました。病気などで、遺言者が公証役場に行くことが困難な場合は、公証人に出張して来てもらうことも可能ですが、遺言者と、公証人と証人全員が集まらなくてはならないため負担は大きいものでした。
そして、作成した遺言書の原本は書面で作成され、現物を公証役場で保存していました。
・デジタルでの作成手順(2025年10月1日から)
遺言者が希望し、公証人も相当と認めた場合、デジタル機器によるリモート方式での作成も可能になりました。
デジタル化後の手続きの流れ(リモート方式で行った場合)
マイナンバーカード等で、電子署名を用いて本人確認
↓
ウェブ会議によって公証人が遺言の内容を読み上げる
↓
内容確認後は、遺言書にリモートで電子サイン
電子機器のディスプレイ等に電子ペンにて手書きでサインする。押印は不要
↓
作成された遺言書は電子データで保存される
データでの提供及び、書面に出力しての交付も可能
これによって、相当の事情があると認められた遺言者は、一度も公証役場に行かなくても公正証書遺言を作れるようになりました。
ただし、ウェブ会議ができるパソコン(スマホ、タブレットは不可)、電子ペン、ウェブカメラ、マイクの用意が必要になります。
従来通り、公証役場に行ってその場で作成することももちろん可能ですが、その場合でも署名は電子サイン、押印不要になっています。ですが公証役場での作成であれば、パソコン等の機材は公証役場が準備していますので、遺言者は従来と変わらず特別な準備は不要です。
選択肢が広がったことで、より多くの方が遺言を作成しやすくなっています。
2026年4月3日に閣議決定された民法改正案において、新たな遺言制度として「保管証書遺言」の創設が決まりました。
現在、遺言書を自分で作ろうとすると、遺言書の全文を本人が手書きで筆記する(自筆証書遺言)必要がありました。高齢であったり、身体に障害があったりすると、筆記の負担が大きいという問題点がありました。
そこで、今回新設される保管証書遺言では、本文をパソコン、スマートフォンで作成可とされています。書き損じたら訂正も手間がかかる手書きと比べて、PC、スマホ入力で簡単に作成することができるということで、遺言書作成における負担軽減の狙いがあります。
保管証書遺言作成のおおまかな流れ(詳細は今後決定)
遺言者が自分自身で遺言書を作成
(PC・スマートフォンでの作成可)
↓
法務局の保管官が本人確認
(オンラインも可)
↓
本人確認後、保管官の前で遺言書の内容を遺言者が口述・電子サイン
↓
法務局にて遺言書データ保管
保管証書遺言が導入されれば、遺言書作成の負担は大きく軽減されることが期待できますが、リスクもあります。
・なりすまし、強要のリスク
ウェブ会議を用いたリモートでの作成も可能になると、本人確認がより厳格化されると予想されます。
また、遺言書の内容が本当に本人の意思通りであるかも間違いなく確認できなければなりません。厳格な本人確認、および意思確認の方法が今後決定していくと見込まれます。
・口述の負担
上記とも関係して、保管証書遺言では内容の口述確認が必要になると予定されています。
公証役場で作成する公正証書遺言ですと、遺言者は公証人が内容を全文口述するのを聞き、間違いがないかの質問に答える形で確認されます。ですが、保管証書遺言では、遺言者本人の口述が必要となります。
遺言者の身体的、精神的状態によっては、負担になることもありえるでしょう。
現行の方式である自筆証書遺言、公正証書遺言に加え、今後、保管証書遺言が創設され、遺言の選択肢が広がります。
とはいえ、保管証書遺言はまだ閣議決定がされたばかり(2026年4月)です。施行されるのは2028年頃が見込まれます。細かい点はこれから決まっていくので、今後の発表に注目したいところです。
遺言書作成は「まだ早いかな」と思っているくらいの、元気な時に準備することが肝要です。
現時点で作成を考えているなら、現行の制度で合っている方法を選んで早めの準備をお勧めします。
遺言書を作りたいけど何からすればよいかわからない、どの方法が自分に合っているのか迷っているという方は、ぜひ一度無料相談をご利用ください。
まずは、一度当事務所(津田沼・千葉相続相談室。司法書士法人LEGALMOT(リーガルモット))のような相続に強い専門家に相談されることをお勧めします。
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